毎週土曜の朝、とあるパン工場に大行列ができるという情報をキャッチ。どうやらみなさんの狙いは、おトクな値段で売られる“ワケあり”のパンらしい……。パンを求めて行列とはこれいかに? さっそく、実態を調査しに行ってきました。

■実は学校給食の老舗! ワケあり販売を行う「コスゲパン」

やってきたのは千葉県流山市。東武野田線豊四季駅から徒歩3分の「コスゲパン」です。大正14年創業で、保育園・幼稚園~小・中学校の給食を手がけるパン製造会社の工場。今年の初め、大学生協で販売されて大きな話題となった「単位パン」の製造元でもあるんです。
出荷口に販売スペースを作って、毎週土曜の9時からワケあり販売が行われています。


そもそも、なぜワケあり販売を始めたのでしょうか? 社長の小菅大輔さんに直撃しました!
「5年ほど前に、約1500個もの蒸しパンのサイズを間違えて作ってしまったんです……。そこで、工場の前に私一人で立って1個10円で販売することにしました。そうしたら、2時間でまさかの完売。もちろん損はしますが、廃棄するよりはマシかと数日続けてみたところ大変好評だったので、規格外のパンを『ワケあり販売』として定期的に売るようになりました」と小菅さん。
これが口コミが広まり、テレビや新聞などのメディアにも取り上げられたことで、今では行列ができるほど人気を博しているのだとか。
■どこがワケあり!? あんぱんから巨大ハンバーガーまで充実のラインナップ

ワケあり販売のメイン商品は、大量生産ゆえに発生する規格外や焦げ・割れなどのロス、余剰の製品、さらに注文キャンセル品や受注・印字ミスのものなど。正規には出荷できないけれど、品質にはまったく問題ないパンが並んでいます。
一般人から見たら、この商品の何がワケありなのか全然わかりません! 上の写真のあんぱんは、なんと1個50円。そのほかにも、クリームパンや惣菜パン(以上50円~)なども。

食パンも3斤分の丸々1本が200円と超格安!

こちらのパン生地のピザ(500円)は焼き立てですよ!

コロッケ(200円)、パリ風フランスサンド(250円)なども。サンドイッチも手掛けているので、このような商品を提供できるそう。どれにしようか目移りしちゃう~!

ちなみにホテル用ロールパンや調理用コッペパン(各1袋400円)は、超大型ビニール袋に数十個のパンが袋詰めされています(笑)。初めて見る光景に、驚きを隠せません。

ただでさえおトクな値段なのに、段ボールに詰まったワケありパンはさらにおトク。「おもしろい箱があると、ついパンを詰めたくなっちゃうんだよね~♪」と社長さん。すぐ売り切れてしまうので、確実にゲットしたい方は気合を入れて早朝から並びましょう!

ワケあり品のみならず、お客さんを楽しませようとユニークなパンも製造・販売しています。
たとえば、こちらは大人気の「バケモノメロンパン」(200円)。よく「顔が大きい」と言われる筆者よりもビッグサイズ(笑)。直径20センチほどでしょうか。これで200円なんて安すぎ~!

一番人気の「手作りバケモノジャンボフィレオ」(350円)は一日限定70個。からあげやポテトなどのサイドメニューと一緒にどうぞ!

こちらは、直径約25センチの“ジャンボリアバーガー”(1,500円)。なんと社長自ら、深夜2時に仕込みを始めて作ったそう! 限定10食の特別メニューです。
おもしろいことが大好きな社長は、袋の中に半額クーポンを忍ばせたり、家電が当たる抽選会を開いたりなど、ユニークなキャンペーンを続々と企画。これがまた、お客さんのハートをがっちりとつかんだのでした。格安のパンを買って家電が当たったりしたら、まさに棚からぼた餅……いや、棚からあんぱん!?
■お客さんを直撃! 思い思いの楽しみ方とは?

9時になり、いよいよ販売開始! 売り切れ次第終了で、12時過ぎには完売してしまうことが多いそうです。

こちらの女性は、見事1番の座を勝ち取ったお客さん。なんと6時30分から並んでいたのだとか! 段ボール入りのパンを購入し、持って帰りやすいようすぐさまビニール袋に移し替えていました。その手さばきは、まるで熟練の技。
ちなみに、誰が一番乗りか毎回常連さん同士で競っているそうで、みんなで集まって情報交換や世間話をするのが週に一度の楽しみだとか。

メガロールを購入した、こちらのお客さんは「会社で配ります」とのこと。食べ盛りの部下に配るのかもしれません。

こちらの女性3人組は、テレビ番組を観て、車で買いに来たそうです。持っている袋の中身は、もちろんすべてパン! 右端の女性は、3,000円オーバーの量をお買い上げ。
その他にも、お子さんのサッカークラブや老人クラブの集まりで食べるために買っていくというお客さんもいました。
■行列が行列を呼ぶ! つい並びたくなっちゃうワケあり販売

楽しそうなお客さんを見て、つい筆者も買いたくなってしまいました。この高揚感はまさにお祭り。ということで、並んで買ってみることに!

……。

最後尾が思った以上に離れていました。
常連さんによると、テレビに取り上げられた直後は1000人以上も並んでいたそうです。普段から交通整理のために、警備員を配置しています。恐るべし、コスゲパンの人気。

買ったど~!!
約35分並んでゲット。買ったパンの総重量は、おそらく3キロ以上はありそう……! パンもこれだけの量になると、結構重たいんですね。このまま電車で都心まで帰るには勇気がいります(笑)。

じゃーん! こちらが本日の戦利品。
おトクとはいえ、こんなに食べられないのでは……? そんな心配はご無用です。食べきれない分は冷凍庫で保管すると◎。筆者は仕事でお世話になっている方や、両親などにおすそわけしました。
ワケあり販売の魅力は、激安パンの数々とお祭りのようなイベント感。首都圏住まいの方は、土曜日の朝はちょっと早起きして、千葉・流山のコスゲパンでおトクに楽しくパンを買ってみてはいかがでしょうか?
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ワケあり販売時にスタッフへ「LINE@お店ガイドを見た!」と伝えてくれた方に、パン一つプレゼント! さらに「ライターさんの顔は大きくない!!」と伝えてくれた方には、もう一つオマケしちゃいます!!(6月13日まで)
(名久井梨香+ノオト)
◆今回紹介したお店
店名:コスゲパン
住所:千葉県流山市野々下 3-938-1
【こっちも見逃せない!おトクすぎるお店】
■LINE@で店舗を探す方法(LINE公式ブログ)