秋といえば「芸術の秋」! 「何かアートに挑戦したいけど、不器用だし……」と何をしてみたらいいのか迷っている人もいるのでは? そこでオススメしたいのが、サンドブラストという技法のガラス工芸。彩り豊かなガラスに、自分の好きな絵柄や文字を刻むことができます。今回は、初心者でも簡単にサンドブラストを体験できる教室に行ってきました!

■ガラスに描かれる幻想的な世界… 「ガラス工芸サンドブラスト本部教室」
サンドブラストとは、専用のエアーコンプレッサーで砂を吹きかけて、ガラスの表面に彫刻を施す技法。吹き付ける砂の威力を調節することで、くっきりとした線やふんわりとぼかした模様を描くことも可能です。この技法で作られたガラス作品を「サンドレリーフ・ガラス」といいます。

今回訪れた「ガラス工芸サンドブラスト本部教室」は、JR総武線の馬喰町駅から徒歩約3分。

一歩足を踏み入れると、そこには数々のサンドレリーフ・ガラスが並べられていました。色とりどりでかわいい♪

アール・ヌーヴォーを代表する画家、アルフォンス・ミュシャの絵画を刻んだ作品など、その美しさにうっとりしてしまいます。繊細な模様はさすがプロの技! こちらの教室では中川明彦先生の指導の下、小学生からご年配まで幅広い年齢層の生徒がサンドブラストを習っているそうです。レベルアップしたコースで学べば、いつか先生のような作品が作れるようになるかも……?

■デザインを決めよう! 輪郭を描く工程からスタート
参加を申し込んだ90分の体験コース(3,000円)の持ち物はハンドタオルのみ。体験コースは、シンプルなガラスのコップにいくつかの簡単な絵柄を付けるというもの。お手本は、まるでお店で売っていそうな完成度の高さ! 手先が不器用な筆者にも、うまく作れるのでしょうか?

赤や黄色のカラフルなコップのなかから、涼しげなブルーをセレクト。江戸切り子にも使用されるコップは、表面に色ガラスの層があり、削ることで透明に近づいていきます。

絵柄はラベルシールにプリントされたイラストや模様から、好きなもの3つまでを選びます。どれもかわいくて迷っちゃうな~。

シールを決めたら裏の台紙をはがして、コップの絵柄を刻みたい位置に直接ペタリ。まずは大好きな猫のシルエットをセレクトしました。

貼り付けたシールの上から、専用のカッターで絵柄をなぞっていきます。コップは曲線なので、慎重に行わないとカッターの刃が表面に沿って滑ってしまうのです。刃をガラスから離さずにゆっくりとなぞるのがコツ。

作業中はひたすら無言で集中。刃が寝そべってしまったり、力が入りすぎてしまったりしないように気をつけます。難しそうな絵柄も、中川先生が切りやすい向きをシールに書き込んで教えてくれるので安心です♪

絵柄をすべてなぞり終えたら、余分なシールをはがしましょう。ちゃんと切れているか不安でしたが、きれいにいらない部分を取り除くことができました。

■緊張の連続! いよいよサンドブラスト
シールを貼り終えたら、いよいよエアーコンプレッサーの出番。まずは白手袋をはめます。ドキドキしてきました!

専用の装置へ腕を入れ、足元のペダルを踏んで砂を噴出させる仕組みです。さっそく吹き付けてみると、掃除機の吸引力ほどの強さで砂が飛んできます。中川先生から「もう少し手前に、もっと吹き出し口から離して構えて」と、的確な指示も一緒に飛んできました(笑)。

研磨用の砂が吹き付けられたガラスは、シールで覆われていない表面の青色が削られて、みるみる中の透明なガラスの層が表れます。あっという間に着色された層がなくなってしまうので、キレイなグラデーションやぼかしを描くのは至難の業……。

サンドブラストの後は、いよいよ絵柄の保護シールをはがす作業に移ります。うまくできているかな? 緊張の一瞬です。

おお! ちゃんとくっきり猫が浮かび上がっている! 最後に表面の砂を水洗いで落とし、仕上げ剤を塗って完成。

こちらが完成品。思ったよりきれいな出来栄えに感動!

同じ型紙を使って中川先生が作った作品(左)と筆者の作品(右)。並べてみると、月の輪郭の滑らかさが全然違いますね……。こんな風に美しい曲線を描くには、修行あるのみです!

デザイン選びから仕上げまで、すべて自分で行った世界でひとつだけのガラスコップは、愛着もひとしお。使うのがうれしくて仕方ありません! あなたも今年の秋は、サンドブラスト教室で「芸術の秋」を楽しんでみてはいかが?
(阿部綾奈/ノオト)
◆今回紹介したお店
店名:ガラス工芸サンドブラスト本部教室
住所:東京都中央区東日本橋2-16-9 カメラ堂ビル1F
【続々!体験シリーズ】
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